海よりも、行方を
たりぽん(大理 奔)

ひとりぼっちで
過ごしたい夜が
みずたまり
雨の波紋が
せまいむねのうちで
干渉しあう

ふたりだけで
見つめていたい夜が
みずうみ
交互に投げ入れた小石が
たいがんへ
消えるまで広がる

ひとなみにのまれて
消えていきたい夜が
うみ
声は波にかき消され
ひとりよりもこどくに
孤独よりも満ちて

  どこも空の下なのに
  あしもとばかり
  水の流れる先ばかり
  きにしていたね

今日は焚き火だ
たちのぼる
火の粉の行方が
  
みえるかい









自由詩 海よりも、行方を Copyright たりぽん(大理 奔) 2007-07-19 23:25:46
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