やまない日々に
蒼木りん

木曜日の朝

空はまったくの灰色

アスファルトは

いっそ潔く濡れている


薄暗いキッチン

取り残された家には

テレビの音が

冷えすぎない程度の温度を保っている


鳥が鳴かない朝にも

人は行過ぎる

与えられても空腹

与えても義務


トイレの中で

灰色と寒さについて

忘れそうだったことを思いだしてみる

私には私の課題があった


これからでも踏み出す

濡れたなら

乾かさなければ

その作業を惜しまずに


やまない雨に疲れきらずに

ちいさな温かさの感動を忘れずに

確かに懐にしまって

灰色と寒さの日に取り出す


未詩・独白 やまない日々に Copyright 蒼木りん 2004-05-20 08:25:08
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