科学の中にあるコウノトリの死体
狩心

感覚が澄み渡ったオレオ
今この瞬間を描く為にオーディオ
私達は嵌め込まれたカーテンレールの
無花果
たましいだよ、流れゆく再コミュニケーションだよ、熱
三十九度七分の
息も出来ないまま 泳いで、ビニール傘を引き摺ってゆくよ
裸足になりたい足が
雁字搦めの重厚装金属性パーツを着けて、
餅つきだよ、
ペッタンペッタン、平べったい重化学工場を胸に
たましいが灰になるまで
脳天からは光化学スモッグ
( 夢で見た鳥 )
生命を叫んでいた、終わりから始まるように

雨雲からの落下物が絶え間なく
この平和な楽園の / 静寂に反響して / 降り注ぐシャワー
はみ出した足
ズボンはズタズタで
二等辺三角形がひらりひらり、
心霊怪奇現象
( 人々は透明 )
放たれた銃弾が永遠に着弾しない
ことの恐怖
に震えているあなたの冷たい指先が、
鋭利な刃物となって
真空を切り裂く
その叫び
それもまた、静寂の中に消える

音源電子機器異常ありません、正常に稼動しています、
右のメーターを上げるオーディオ
左から日付と時刻を列挙するメイディア
東西南北に痛ましい事件を配置するのがよろしい
そして指名手配
全人類の
( 夢で見た鳥 )
今は深く深く、海底を歩行している 非可逆的に
ジンギスカンを踊りながら
ジンギスカンが食べたいと
泣き叫びながら
点描で描かれた微生物達の声
ただひたすらに、干乾びた海の亀裂へ

過ちを認めた 近未来のダンス
今を歌い、今に死す
我思う故に我ありと思えないままに、
諸行無常の響きありと、
36億年の記憶
ライスシャワー、私達は稲作の時代に戻れない
すべての結婚式において、
死へと一歩ずつ前進する歩兵隊の足音
生命を叫んでいた、終わりから始まるように


自由詩 科学の中にあるコウノトリの死体 Copyright 狩心 2007-07-18 16:21:42
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