雨が雨らしく降って
蒼木りん

雨が
雨らしく降って

「男」と書けば
身を守れると思ってるらしいが
マニアには
見破られている

わたしは
蒼アザができていたことも知らずに
あの子とSEXできたらいいなって
麻痺してる

馬鹿にされて
笑われてるの知ってるから
誠意をもって報復
飛んでみればいいさ

手玉を衝くために
構えた指で何がわかるの
それが欲しいと
言えばいいのに

酒とくちづけと
くちづけと酒とくちづけ
意識がなくなるまで
哀しいかな

死んでも
死に切れない同士
心中できなかった予感
的中

鬼の居ぬ間に
そっと足枷を外して
毒薬を手土産に
視点をずらして

チョッコレートのうた
歌いながら銀紙をやぶいて
わたしなんか
死んじゃえばいいと思う

神様は人間の姿をしていて
悪魔は誰の中にもいるから
シャボン玉がなぜ球体なのか
考えたら眠くなった

百の慈しみを与えたとしても
一つ情けが伝わるかどうか
そんなにもわたしは
あなたのこころに住みたかった



自由詩 雨が雨らしく降って Copyright 蒼木りん 2007-07-12 23:46:43
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