つばさいす
木立 悟



碧に緑で描かれた円が
四羽の鳥となって飛びたつ
地には器と光が残され
祝いの言葉に響きつづける


泣いてはめざめ
泣いてはめざめ
水をほしがる子の手を握り
しずくの径に消えてゆく夜


音が音に触れ火を放ち
外はひろがり
奥は遠のき
震え散り咲く花になる


子は椅子を持ってきて
これに座りたいと言う
だがそれはいつの日か
色とつばさにかえってしまう


水曜日 砂糖水
弾かれることなく
聴かれることなく鳴りつづけ
飲み干されてゆく木彫りの器


髪に埋もれたひたいから
つむった両目から花はこぼれる
足もとに眠る四羽の鳥へ
ひとつ ふたつ 花はこぼれる













自由詩 つばさいす Copyright 木立 悟 2007-07-10 22:37:11
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