風を釣る
草野大悟

ずっと
風をさがして
生きてきた

たとえば
こんな
よく晴れた日には
釣り竿を担いで
山に行くのがいい

頂に着くと
草原くさはらに寝ころんで
釣り糸を垂れるのがいい

オモリはつけない
もちろん
ハリも餌も
つけない

ただ青空に
釣り糸を垂らすのがいい

とおい記憶をそのままに
そよふく風を釣るために
はるかな風を釣るために


自由詩 風を釣る Copyright 草野大悟 2004-05-18 09:22:27
notebook Home 戻る  過去 未来