創書日和「星」 星願
山中 烏流

空に浮かぶ
小さな、輝きたちを
指先でつまんでは
ごくりと飲み下す
 
たくさんの色で
彩られた私は
いつか、同じように
あの空に浮かぶこと
 
夢、見ている
 
 
**
 
 
いつか聞いた
確か
おばあちゃんから
聞いたような
気がする
 
 
「あの輝きは
 地球という生き物の
 
 たった一つの
 感情表現なんだよ」
 
 
満更
嘘でも無いのだと
思った
 
 
***
 
 
いつか、命が終わる
その時
 
私は
地球という生き物の
感情となって
 
永遠に
生き続けるのだろう
 
 
多分
 
 
*
 
 
たくさんの色を
幾重にも纏ったまま
空を、見上げる
 
手を伸ばして
また一つ
ごくりと飲み下す
 
私が
重くなる
 
 
****
 
 
ほら、また
 
 
 
生み落とされた
 
 
*
 
 
無意識に
手を伸ばす、私の
頬を流れ落ちた

 
それはふわりと
宙を舞って
あの空に浮かんでいく
浮かんで、いく
 
 
とうに望みなど
叶っていると、いうのに
 
私はまだ
 
気付かないで
いる。


自由詩 創書日和「星」 星願 Copyright 山中 烏流 2007-07-08 22:55:21
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