浮遊術
狩心

ふらふらと道を歩いていると、車に轢かれそうになった
ふらふらと道を歩いていると、誰も道を尋ねてこない
「私はこの町に誰よりも詳しいのですよ!」と叫ぶと、
人々が全て消えた、車も一匹残らず消えた、
しかしなぜか、人々の足音と
車の走行音だけは聞こえてくる
透明に、透明になったのは奴等の方か、それとも私か。

人々は、建物から建物へ移動する
私に建物は見えない、一体何処に建物があるというのか
誰か、教えてはくれないだろうか

「ごうまんだ!ごうまんだ!」
お前のその、頭でっかちの頭の中に
地球が入る、わけがない!!
「ごうまんだ!ごうまんだ!」

俺の後頭部が陥没する/
膝から下が消えて
そこに雨が降る ザーザー
ザーザー 胸についた液晶画面には今週の砂嵐 ザーザー
ザーザー 目ん玉がスプリングで飛び出してボヨンボヨン
大人のおもちゃになりたいボクが 四つん這いで待ってる!
誰か早く乗って! 背中がパックリと割れて、そこから人食い植物 ☆ とってもラブリー♪
ツタがビュンビュン! 牙がバシンバシン!


自由詩 浮遊術 Copyright 狩心 2007-07-08 18:59:07
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