涙腺
千波 一也




 かがやいてしまう星の名を、
 つなぎ留めたかった
 防波堤



かなえたものは

夜を、
彩ることの、
つづけざまの果て、

失うはずなど無いというのに
のがれるすべを誤って

月に
飼われた
従順なる、目


 しずかに
 枕が燃えゆけば
 だれかの夜はあたたかく、
 いつかのゆめには
 漆黒の、ゆき


破るところから
ていねいに
くるみ、

やさしさが、よわい


銀の鱗の
命ずるままに



 麻酔のような
 ぬくもりを
 凪ぎ、

 ことばをわすれ
 ないている


 鳥と
 さかなに
 わけ、あ、たえ、











自由詩 涙腺 Copyright 千波 一也 2007-07-05 12:45:57
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
【月齢の環】