少女の道
なかがわひろか

死体を引きずる少女
ずるずるずるずる
ずるずるずるずる
肉と地面がこすれ合う

少女は白いお家に入っていく
白いお家の白い煙突から
灰色の煙がもくもくと
もくもくと上がる

少女は家から出てくると
また来た道を辿る
地面は肉の痕で真っ黒になっているから
少女は迷わないでまた元の場所に戻る

しばらく待つとまた少女は死体を連れてやってくる
ずるずるずるずる
ずるずるずるずる
また白いお家へ入っていく

もくもくもく
もくもくもく

少女は決して道を
迷わない

(「少女の道」)


自由詩 少女の道 Copyright なかがわひろか 2007-07-05 00:29:15
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