小川 葉

弱者が団結して自由の旅に出る
自由を目指したはずの道中にも社会は生まれ
不自由もまた生まれる

強者がいた時よりもっと厳しい社会
強者がいた時よりもっと強固な不自由

信仰を失うにつれ
個人は今以上の自由を模索し
欲望もその時はじめて開花する

醜い花は枯れることを忘れたまま
みずから枯れてしまうだろう
弱者は弱者なりに
生きがいを持てていた時代が終わって
野原は醜い花だけとなったようだ

いや
弱者は弱者なりに
生きがいを持てる時代は
まだはじまってはいない
強者と弱者というものさしさえ
枯れることを忘れた
醜い花のようなものなのかもしれない

このところ私たちは
花壇に規則正しく植えられた花よりも
道ばたに一輪咲いている蒲公英に
心奪われる傾向がないだろうか
綿毛になって羽ばたいてゆく蒲公英に
人生の到達点を感じたことはないだろうか

革命の誕生を待つよりも
何かを生むことで変わる自分を
信じることはできないだろうか


自由詩Copyright 小川 葉 2007-06-25 01:25:26
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