三連歌
真紅

薄い蛍光灯と
白い壁の部屋で
壊れる寸前でいた

強い太陽の光と
自然色の街並みを
瞼で焦がれていた

鍵など掛かっていない
歩けないわけでもない
ただそこにいた

壊れる寸前にいながら
壊れそうな他の玩具を
壊し続けることで

充足感と
閉塞感を
繰り返し

吐き気の波を
崩壊の危機を
乗り越えた

そこに新品の玩具が
場違いな程に新品な
新品の玩具がやって来た

その新品の玩具は
壊れる寸前の私に
憧れを抱いていた

もうその時には
その時にはもう
私は気付いていた

他人を傷つけながらも
他人を壊しながらも
私は自分を壊して欲しかった

蛍光灯の光がふっと消え
白い壁に装飾が施された頃
私の体を涙が流れた

強い太陽の光と
自然色の街並みを
瞳に宿して

私は今
今、私は
私になっていく


自由詩 三連歌 Copyright 真紅 2007-06-21 22:43:04
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