「 ムーミームー。 」
PULL.







ムーミームーをポケットに入れて、
雨の街を散歩する。
ムーミームーは雨の子だから、
ポケットの中は大騒ぎ。
雨が、
ぴちょりと歌うたび、
ムーミームーも歌い出す。


「ムームーぴちょり雨落ちた。
 ミーミーみんなで旅をした。
 ムーミームーは雨の子で、
 ミーミームーは旅の子で、
 まんまる雨つぶムームーひとり、
 いつかミーミーみんなになあれ。」


傘の中ではみんなの歌が、
ざあざあざあ、
ムーミームーを呼んでいる。
だから、
ミーミー空見上げ、
ムーミームーは想い出す。


「ムームーぴちょり雨の子で、
 ミーミーみんな雨の中。
 ムーミームーは旅をして、
 ミーミームーと離ればなれ。
 まんまる雨つぶムームーひとり、
 いつかミーミーみんなでぴちょり。
 
 ムーミームーはミーミームー。
 ムーミームーはミーミームー。」


ムーミームーは泣いている。
ポケットの中は雨で溢れている。












           了。



自由詩 「 ムーミームー。 」 Copyright PULL. 2007-06-21 07:16:35
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