離陸
山中 烏流

何処までも澄んでいるという
明日の空を夢見て
僕は
視線を泳がしている
 
世界の涙を粉にして
混ぜ込んだ、砂場の真ん中
僕はただ
足をばたつかせて
 
 
 (腕を広げて、飛び立つ準備
 
 (足はプロペラを模している
 
 
いち、にの、さんで
口笛を吹く
軽やかな旋律は
風に乗って飛んでいく
 
滑り台では
隣の席のあきちゃんが
グライダーを準備中
上手くいかないみたいだ
 
 
 (僕は大きく胸を張って
 
 (自分の力で、高く
 
 
見上げると、
雲と雲の間辺りから
緩やかに羽が落ちてきた
 
また一人
飛び立てたみたいだ
 
 
 (せーので、きっと
 
 (僕も
 
 
やんわりと立ち上がって
腕を広げた
 
視線を遠く、定めて
ステップを踏む
 
 
 
いち、
 
 
にの、
 
 
 
さん、


自由詩 離陸 Copyright 山中 烏流 2007-06-19 11:48:02
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