凍りの心
AKiHiCo

今日から私が貴方の宝石になってあげる
その声で乞うがいいわ
愛して欲しいと叫ぶがいいのよ
そんなもの簡単に踏みつけてあげる
何て屈辱的なのでしょう

それでも私だけと思うのなら
追いかけてみせて
何も言わずに無垢に
哀れ惨めで仕方ないわ
誰かが慰めてくれるでしょうに

頭の中を私だけで埋めてあげる
この瞬間から貴方は私の蜂
毎日集めて来るのよ甘い蜜を
床に滴るとろける液体は美しいわよ

その声で乞うがいいわ
抱きしめて欲しいと叫ぶがいいわ
脳の内側から響かせてごらんなさい

もう何も信じられるものなどないと言うのに
どうして私だけを只管求めるのでしょう
いくら尽くしても返ってくるものは
愛だとは限らないと言うのに

どれ程まで悲しい願いなのでしょう
その願いさえも私が握り潰してしまうのだけど
純粋だとしても縋る姿は醜いわ
私の前から去っていいわよ


自由詩 凍りの心 Copyright AKiHiCo 2007-06-17 23:15:25
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