小石
水町綜助

こんな
晴れすぎているから
隠されてしかるべき一つの
ほんのちいさなことさえも
道路のうえ
黒すぎる影のせいで
焼けて
見つけられてしまう

かつて
日焼けしない手で
ただ赤くなってしまうだけの白い腕をのばして
それを摘んで
弾いて見せたのは
いつで
君は誰なのか

弾かれたそれは
誰かに当たることもなく
ましてや土の上で芽を生やしはしなかったし
側溝に落ちることさえしなかったんだよ
ただ路面に戻り
また見えなくなってしまっただけなんだ





そう僕は今誰かに言ったけれど
それはうそだよ
だって見えなくなってしまったわけだからね
このばかみたいな
肩すかしの晴れ間に似て





自由詩 小石 Copyright 水町綜助 2007-06-16 15:45:13
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