僕が死んだ理由 <迷図3>
クリ

まっすぐな道だったので
眠気を催すほど退屈
アクセルを目一杯踏んでみた
160km出してみたら…
…やっぱり猛烈に眠かったので
カーブに気づかずに 死んだ


つづら折りの坂道は
山あり谷あり川あり海あり
つづれ織りの坂道で
飽きることはなかったけれど
それが単線の線路だと知ってから
地平線の向こうはどうなっているのだろうと
ずっと考えたままふさぎ込んで
ついに知ることのないまま
あわれに惚けて 死んだ


自分の道を進みたいと
言葉の通じないドライバーとともに
未舗装の 沙漠の道を旅したら
燃料と水と食糧が切れるまえに
ドライバーの堪忍袋の緒が切れて
寒暖の差が40度の砂丘に取り残され
舌が上顎にくっついて 死んだ


今度こそは失敗しないぞ と
道なき道を徒歩で切り拓いて行ったら
僕の前に道はなく
僕の後ろに道はできたけれど
その道を僕のほかに誰ひとり

歩こうとする者はなく
ひとりごとさえ
消えてしまい
さみしさの
あまりに
死んだ

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                   Kipple, Kuri : 2004.05.13


自由詩 僕が死んだ理由 <迷図3> Copyright クリ 2004-05-13 02:40:50
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