チーズ
蒼木りん

アア 頭ガオカシクナリソウダ

という
正常の線上で
コンクリートみたいに固まっていく気がする
かれた硬いスポンジが砕ける
すでに
こわれた幾つもは
空に投げて見えない星になった
大きな栗の木の花陰で
唇で身をなぞって欲しいと想う
わたしの体内の源に
不思議な泉があるのなら
くだらないエロティックな想像を
清らかな桃色に染めて
くれ


アア

頭ガオカシクナリソウダ


月が出ると
いとしくて哀しくなるのは
記憶
君の匂いが嗅ぎたいだけ美しい
君の
吐きそうな
あの匂いはなに
どうして
どうして逃げるの
わたしは
殺人者の顔をしている
君じゃないなら
ひとりでいい
チーズ


モウ

おしまい


未詩・独白 チーズ Copyright 蒼木りん 2007-06-11 00:00:25
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