回復
rue

このくにから亡命して

どこかへ

あてはない

どのくにも

やさしくない

こうやって字をつらねることくらいが

せめてものいやし

イコン

犠牲は多く

のこったものも永くはない

ひれがあれば

海流にのって

ずっと地球を回っていたい

それでもひとは地上のどうぶつ

みちをつなげても

みちをゆくことが

こんなにもつらいなんて

おもいもしなかった

あきらめきれないから

あるきつづけているのに

どこにいってもやさしくはない

ぜつぼう

こんな詩をかくようになるなんて

おもいもしなかった

もしはねがあっても

ぼくはとばないかもしれない

とじこめられているんだ

この球のなかに

いつかほんものの方舟がくるまで

ぜつぼうとなかよく

ちいさなきぼうをさがして


自由詩 回復 Copyright rue 2004-05-10 18:39:04
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