防砂林の約束
たりぽん(大理 奔)

  信じて強くなると
  君は榴花色の口紅で
  グラスの縁を彩って
  それは渡航への朱印
  暗く激しい海流を渡っていく
  見知らぬ海鳥の呼ぶこえ

さきほどから
波のこえが聞こえる
海のちかくまで
じゃまなのは砂と太陽

  葡萄、のどが渇いたら
  それがいい

ああ、そこは
砂漠じゃない
体から
砂に染みこんでいくものが
夢であれば
終わることはあっても
失わない、そう信じれば

  約束より
  傷つけない
  夢は
  嘘より上手に
  防砂林の枝に
  ぶら下がって 





自由詩 防砂林の約束 Copyright たりぽん(大理 奔) 2007-06-03 01:08:44
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