記憶
蒼木りん

わたしがわたしであることを許さない
何かに動かされ
罪の償いのなかで
わたしはまたその罪に焦れる
とても苛立つ
結論はわたしにかえるのに

わたしの肌は
やさしい
と言った人
気に入ってはいないのに
そんな言葉は別にいらない
さようなら

戦わなければ
壁の向こうの景色は見えない
受け入れなければ
苦しいまま
わたしは
わたしをあふれないように

嘘でいいから
時を止めて
真実の事実
甘くて綺麗なものを
しばらく嘗めていたい
その記憶がほしい

苛立ちの後には
虚脱
すきなだけわたしに触れて
酔いに任せて抱いてくれたなら
そのまま死んでもいい


自由詩 記憶 Copyright 蒼木りん 2007-05-30 22:47:00
notebook Home 戻る  過去 未来