困る話。
はるこ


人と知り合って話すとき、お酒を飲むとき、困る話題がある。
それが、恋愛の話、だ。

わたしは生まれて一度も人と付き合ったことがない。

自分の名誉のために言っておくと、
言い寄られたことがないわけではない。
異性とふたりでどこかに行ったことがないわけでもない。
でも、形としてきちんとお付き合いしたことは今まで一度もない。
それってわたしにとっては日常だが、
同じように高校、大学生活を送ってきた同級生などから見ると、
少し特異なことらしい。
理想が高いんじゃない? とかは言われる。
実際そうかな、と思う。
自分の問題じゃない? と言われる。
きっとそうなんだろうな、と思う。

付き合うということを真面目に捉えているために一歩が踏み出せない。
そして、自分が好きになった相手は好きになってくれるわけではなく
その相手を振り向かせようという努力もしていない。

このままでいいかなぁ、とは思う。
結婚願望はあるけど、もう少ししてからでいいかなぁ、という風に思う。
人より少し感覚が違うのかも知れない。

でもあんまり理解されないのが悲しいところだ。
人と付き合ったことがあるというひとの方が、わたしにとってはすごいと思う。
素敵なことだなぁとも思うし、羨ましく思う。

その点でわたしはとても寂しいのかも知れない。
でも、違う意味ではとても幸せ。
こんなままだから、恋愛の話には入っていけないんだろうなぁ。
今度の飲み会も憂鬱だ。


散文(批評随筆小説等) 困る話。 Copyright はるこ 2007-05-27 15:34:08
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