同時刻にて
千月 話子

夜9時帰宅の 私が
湯気の上がる 白いご飯に
玉子のふりかけを かけながら
「黄色い粒は塩辛いんだよねぇ」と
おかず無しの 夕食を
不本意に思っている時

母が 居間で
「渡る○○は 鬼○○○」を
見ながら 血圧を上下させて
至福の時間を過ごしている時

父が パチンコ店の
喧騒と 霞む視界の中で
しみじみと孤独を噛み締めている時


・・・・・・・・・・・・・
ジクジク と
夜の魔物が 目を覚ます時 




自由詩 同時刻にて Copyright 千月 話子 2004-05-07 00:24:32
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