おじぎ草
hon

日ごろ 砂丘の獄舎では うっとりと
留まりかけた 朴訥な優しさも
指先の 堪えない神経が どうして
絶え間なく 頭を下げさせる
君の おじぎ草 のように
夜 ティンパニー 膠着した過去は
暖炉から いつか永遠の 凍える薪を
横たえる a)閉じてしまう
雨滴―――コルセット(燭台)
石炭―――舞踏会(食肉業者)
君は喋る 黙る うなだれる
〜不可侵の客車〜 のように
頬骨を震わせて 憐憫な不用意を
都会に戦ぐ あえかな椅音を
丘陵を巡る 風にも耐えず 君は
おじぎ草 のように 常に


自由詩 おじぎ草 Copyright hon 2007-05-16 00:52:30
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