平凡な一日を迎えるにあたって
松本 卓也

何度眠ろうとして
何度寝返りを打ったっけ

昨日はいつもより肩が重く
左目の少し上がとても痛かった
安物のホットドックが
不自然なほど美味かったけれど

眠たくて眠りたくて
夢なんか見なくて済むように
深い闇の底に溶けていたかったのに

幾つかの断片を重ねた末に
遮光性のカーテンが役に立たないほどの
陽射しが瞼を突っついてきた

けたたましい目覚ましが
二度目の誘いを容赦なく断ち切る

誰が為か
我の為か

疲れたと言い訳を吐いてみよう
摩り替わった理由こそが
なけなしの今日を生きる価値

顔を洗って歯を磨き
首を大きく回してみれば
刹那主義の慟哭など何処吹く風に
整備不良の歯車がゆっくりと回りだす

訳も無く眠れない夜を過ごそうが
意味有りげに孤独な時間を経とうが
朝は平等に現実を照らすのだ

逃れたがりの自分を蹴飛ばして
今に意味を吹き込んで見るが良いさ
昨日眠れなかったその分だけ
今日は沢山眠れるように


自由詩 平凡な一日を迎えるにあたって Copyright 松本 卓也 2007-05-15 23:04:27
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