toi et moi
モーヌ。
トワ エ モワ
きみ と ぼく
笑顔は ひろがっては いない
この 丘で
かぐわしい 初夏の 葉群れに
肩を 抱かれて
ぼくたちは いた から...
オモチャの ピストルで 撃たれた くらいで
傷を 彫り
痛む こころが 下方へ と
そよ風を ふるえながら 巣作って ゆく
きみの 名まえには “ 笑 ”の 字が
あい に 染められて いて
その こだまする 翼が
散って いった 羽を あつめ
両手で また ひろがる
青海
(
あおうみ
)
に
手放すように 揚げて みる...
黄いろの 草花の 鉱脈が
みどりの
館
(
やかた
)
の 林泉を にじみ
すきとおった 波頭を 反って 飛沫 して
ほとばしる 祝祭日の 蒼穹に
帽子の 上で
藤の ひとふさを 揺らせた
きみ と ぼく
トワ エ モワ
ふたつの からだ に
ほほえみよ 吹き 渡れ
自由詩
toi et moi
Copyright
モーヌ。
2007-05-15 08:03:13