罰を受けるかのように
たりぽん(大理 奔)


咳が止まらない
名前を呼ぼうとしても
むせてしまう
怪訝な顔をする

胸の真ん中にたまっている
科学雑誌でみた
火山の断面図のように
あかい、あかい

咳をするときは
いつも地面をみている
空が遠い
腰を折ったまま見上げるから

咳が、輪を描いている
中心でむせているのが
影を踏むひとで
すこし左にあるのが心臓

誰もが知っている
苦しみなのに
孤独がかなしい
それは怪訝な顔だけではなくて




自由詩 罰を受けるかのように Copyright たりぽん(大理 奔) 2007-05-14 00:36:03
notebook Home 戻る