昭和六十二年四月一日
板谷みきょう

タコが自分の足を食べて
生き延びるみたいに
かつて 赤字続きで国鉄は
ローカル線を廃止した

頭だけになっても
足はいつかは生えてくると
だけど
本当の狙いは 頭のすげ替えだったのさ

働く人の暮らしを守る大きな力に脅えて
金と力に欲張りな どっかのお偉いさん達が
自分達だけの未来のために 
仲間割れする様に ソロバン弾いて
そうさ 
出る杭を打ち続けた奴らが 
危険を感じて杭を抜いたんだ

だけど
どんなに時代がかわろうと 
どんなに社会がかわろうと
働いている人達も 働けない人達も 
働きたい人達も 働きたくない人達も
暮らせる世の中を
この空の下へ

風に揺れるしなやかな
柳の枝みたいに
分割・民営 国鉄は
JRと名を変えた
雪や嵐に折れない枝は
必ず耐え抜いてくれると
だけど
本当の狙いは 枝を切り揃えることだったのさ

働く人の暮らしを守る大きな力を消そうと
金と力に欲張りな どっかのお偉いさん達が
皆さんの未来のためにも 
仕事も心配はないと 嘘で固めた理由で
そうさ 
今まで山を見ていた奴らさえ 
喜び勇んで鹿を追い始めた

だけど
どんなに時代がかわろうと 
どんなに社会がかわろうと
働いている人達も 働けない人達も 
働きたい人達も 働きたくない人達も
暮らせる世の中を
この空の下へ 

※青空の下で
https://www.youtube.com/watch?v=bV5U6togIDw


自由詩 昭和六十二年四月一日 Copyright 板谷みきょう 2007-05-13 21:30:44
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
弾き語る歌(うた)の詩(うた)