白いはしご
ヰズミ

白いはしごだった
白木

塗られているようで
裸の魂
裸なようで
薄い化粧を施した

はしごだった
それは役目を担っていた
底からわたしを
救い出すという役目を

一段一段を
登るたびに
光が
わたしを見ているのを感じた

ぎしぎしと
梯子がわたしの与える荷重に
耐えかねて呻くのを
見ていた

遠くの砂漠から
振り返ると
はしごは白いまっすぐな
うつくしい現象となって
空へと伸びていた

崩れた

おともなくゆっくりと
かしいで
すなけむりが
やわらかく
たちのぼりました

やがて
しんとして
なにもかもが
一瞬にして
忘れてしまった

はしご

白いはしごのこと


自由詩 白いはしご Copyright ヰズミ 2007-05-11 14:46:38
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