あくむ
黒川排除 (oldsoup)

灰に浮く花は崩れた春の迷彩

非植化物の黒い目をして這ってすすむ

風上を骨まで笑う羊飼い

槍たててみる砂場おなじモンゴルまで

無を紙で包んで馬の形にする

待ちびと来たらず鏡の中に火花散る

沈む壁垂直に鯨は描かれ

本赤き年少携え読唇術

牢の暗さより黒い人影が見える

呼吸が肺に広がる頃の野が枯れて

アーチくぐる首の高さあう売店無人

楽隊の波長の片側埋める森

六面の窓に一面の菜の花

保母起きて敗れしものを連れまわす

鍵穴からアルファルファ漏れて途切れる記憶

氷砕き現れた車噴水を避ける

池干上がり久しく七輪など焚かず

旅ゆく途中紙人形にされかかる

誕生と成長のあいだ水びたし

砂漠フーフー吹く混血児異常に幼い


川柳 あくむ Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2007-05-11 05:24:51
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