うつくしい朝
瓜田タカヤ

 白眼の日々 
  焦燥 
肌寒い浜辺にいる君
は目を瞑り 
 風が洋服をすべる感触で
遊び
 軽く笑う

 果てしなく続く毎日も
君の
存在次第で
 どうにでもなるのさ

 普段はあまり食べない果物に
クリームを
たっぷりと盛って
 大好きな本に視線を張らせる
 毎日を
君といられる毎日を
 いつだって待っている

そう
君に恋する連綿を
言葉のない言葉を
形のない形を
死体のある死体を

 海の全部が聴こえるように
君は貝殻を耳にあてる

透明の振動を手繰り
俺を見 
 俺の耳に当て
くちづけあう

 友人の彼女が病室で死にたくないと言うので
そんなに酷いのかいと聞くと
あと2年の命だという毎日痛いと言うので
俺が治してあげようと思い家に連れて帰った
そして彼女を「からだ小さくする機」で
小さくした
手のひらに乗るくらいの大きさにした

 彼女ちっとびびって何か言ってたけど
よく聞こえね

 コップを水で満たし彼女入れて上になんかで蓋をしたら
彼女のおぼれるところが見ていられて
とても美しく思うかなと思ってためした

 青白い皮膚を破り彼女の死が現れるまでに
僕はどれくらい骨色のぬめりを
そのコップに張り付けられるのか
ただのコップがどれほどすてきな
白濁柱へと変わるのか夢想し肺が痙攣した
でも思ったよりも
彼女すぐおぼれてしまって
水中でフカフカと漂っているだけでしたので
出してやってストローで人工呼吸して
腹押しで助けた

 彼女は笑顔のような顔で涙のない涙を
こぼしていたので俺は
液体は下の方からたらせ!よお!おい!
といった
ら友達が彼女居なくなったって来たので
卓上の醤油瓶の中に隠してみた
俺が飯を食おう料理を作ろうと言い
友達と俺の部屋で飯を食った

 新鮮な刺身を一緒に食した
彼女の哀願の味がして
愛の力で俺をやっつけてくれよ ん

 でも何事もなく帰っていって暇になったので
ウッチャンナンチャンのテレビみて
彼女瓶から出したら死んでたので
小さく舌打ちして
2、3日画鋲で壁に止めといた
テレビゲームソフトを買ってしまい
それどころではなかったのだ

 んで思い出して
命治す機械作ってボタンを押して治した

 んで服が痒そうだったので
おい 俺あっち見てるからお前服脱げよっていったが
何にもしないで固まってたので
早く脱げよ ハーヤーク!って
フォーク持ってきて3回くらい刺したら
如雨露から水がいっぱい出るような感じで
あがいていたのでコレガそれに精液かけたりして
たら死んだ
でも命治し機があるのでボタン押して
復活させた

 ミクロマン出して来て彼女と戦わせゴッコだ
負けた方が豚のアナルに押し込まれる事とスルウー!
ひゅーひゅードンドンドン!と心で
3戦目の対アクロイヤー戦において彼女まけた
腕が変な方向に曲がっていて苦し痛そうだったけど
後でにしようっと(腕治しが)

 彼女を豚の所に持っていこうとしたんだが
豚が遠くまで行かないと無いので
俺のアナルに入れてみました
ら彼女嫌がってるけど
いいじゃん別にんでトイレ行ってウンコして流したが
彼女の足に釣り糸を括っといたんでそれ引っ張って
戻したら変なレア干物みたくなっていたんで
水で洗った

首 胸 腹 股 足首 位に分けて
綺麗に串で刺して焼き鳥にしてみたら
肌の表面がちりちりと焦げ付いてきたので
串を取りタレの壷につけたら
まだ息をしているのか
どっかの空気袋が破れたのかで
ブクブクと泡が立つしゃーねえなあと思い
ハケで少しずつ塗ることにした

 濡れた人形のフィギアの服着せて
冷蔵庫に入れて
病気にさせようと思ったが
ちょっとサイズが大きすぎるので
機械のボタン押してちょっと
彼女を大きくした

 人差し指くらいが
手ぐらいになった んでマンコだけ
人間サイズにもどした
んでヤったが
片手で彼女もって動かしたりするので
おばあちゃんにオナニーしているのかと間違われて
恥ずかしい思いをした

 たまに喧嘩もしてしまったりして
彼女思いきり壁に投げつけたりした

 彼女が自殺したりもしたけど
その度に機械ボタン押して生かした

 君を
殺させはしない
君の存在を
無くしたりはしない
君が
逃げないように
生き返る度に足首をハサミで切った
俺が死んでもいいように
自動でペースメイカーの小型の物を
君の体内にとりつけ
自動で生き返る仕組みを考えそう変えた
んで毎日殺した
んで毎日生き返した

 君の皮膚を酒のつまみにしていたら
君があたしも食べろというので
何の気なしに食った
なんか違和感を感じながらも
テレビ見てたら
不自然な満腹感が腹を張らすす


と思って
後ろにある機械を見たら
血を吹く用のウェットティッシュが遮っていたので
それどかしたら
体大きくする機が作動していた

俺の体外へ
彼女が肉やら血管やらをかきわけ出てきた
脂肪は血塗れで湯気が立っていた
アルコールと人肉の匂いが
部屋のコミック雑誌のコントラストを鮮明にし
俺の裂け目が冷えた

 血の糸を引き粘ついた君が
2メートルくらいになったのを見た

 白目の彼女は
俺にたいして小さくなる機のボタン押した
俺はそんなことしていいと思ってんの!
って精神的部族槍を投げつけてみたが
四肢は事実のままに縮小していった

 死にたくなくて動こうとしたが
やばがってる俺に気づき蹴り入れてきたり
借金のかたにとってきたゴルフクラブで
打ちつけられたりした
 その度に俺は2メートル3メートルと
遠い床まで血のマーキングを施した
もう身長が30センチくらいにまでなって
床に寝転がった

 肩で息する彼女がしゃがみ込み
何か言っていた

 遠いどこかの事務所で
ヤクザの上腕筋の汗を拭う
母の乳房とハンカチーフ
 原始の匂いを嗅ぎ
浅はかな欲望を無に帰す儀式を所有する

 闇は宇宙の何処かではなく
幾つもの濡れた弾痕を印すささくれた肉の内部や
奇妙な圧迫感を配置する盛り場の劇場にある
 そう 静かな吹雪だけが人を殺せるのだ
 針は振り切れず
いつでも尾端で重く微笑するのだ

・・・・・・・・・・ね

・・・・・シネ

・・死ね

死ね 死ね 
死ね 
 死ね

 俺は
マンコん中に
逆飛び込みのよーにダイブした

ゼロの瞬着
愛のシズル感
オモチャ吐き気
現実の鎧からの逸脱
 
 静かな吹雪だけが人を殺せるのだ

 俺は
黒い滑り内で
ずっと待っている
 壷の中
錆びたひづめの妄想で
ずっと待っている

そう
 君に恋する連綿を
  言葉を無くせる炸裂を

   バルブの外れた感情を
    過剰な刃物の放熱を
     少女の呼吸のハンドルを

 死体のある死体を
  尺取虫の宇宙を
   琥珀と太陽の交差を

           美しい朝を!
          うつくしい朝を!


自由詩 うつくしい朝 Copyright 瓜田タカヤ 2004-05-05 04:03:46
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