七十二歳になりて
生田 稔

七十二歳になりて


 永い連休が過ぎた。5月7日72歳の誕生日である。フランス大統領は保守になった。共産党・社会党ご苦労さんである。その役割を果たし、社会主義は終焉しつつある。
 フランスはアメリカ型自由競争を取り入れるという。先は多難だ、努力せよ。資本主義というのはキリスト教が根底にあるようだ。聖書は、統制保護経済ではなく、自由主義自己責任経済を根底に持つ、いわば自然経済主義といっても良い経済を教えている。
 しかし聖書は王政を根本にすえる。新約聖書の時代になっても、決してそこに記されている教えは民主主義ではない。
 神は王であり、クリスチャンは王国の到来を待つようにと教えられているのである、 「王国が来ますように。御名が崇められますように,御心が天のごとく地にも行われますように。」という祈りは、民主主義が地に広まることを教えてはいない。
 然るに、ギリシャのデモクラシイとユダヤと初期クリスチャンの伝えた聖書はむしろ民主主義の国々にひろまつた。
 キリスト教はギリシャやラテンの文明と結びついて、とてもメジャーな宗教を形成し、政治や学問もこれを無視できない。
 創造主エホバを教えるのが聖書である。このことは、あまり一般的になっていない。キリストたるイエスを認めるキリスト教会は多いが創造主エホバは公には崇めない。これには色々細かいわけがあるが、今回はそれに触れない。
 キリスト教国の主たるものはアメリカ合衆国であろう。第一次世界大戦以来その大きな影響力は無視できない。第二次大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク紛争その他の様々な交戦事変にアメリカ合衆国は関係している。
 初期クリスチャンの時代のローマ帝国の立場に非常に似ている。グローバル化した世界に在ってこれからも影響し続けるであろう。それだけに被害利害を意識する国々も多いので微妙な立場であるが、世界の平和のためには、この国のこれからが大いに注目すべきであることを気づいている人も多いに違いない。
 今日はよく晴れて気持ちの良い日である。
私の健康状態は良い。68歳の時心筋梗塞をやったが、たちなおつた。ステントを5つ入れたが、医者は全快を宣言してくれた。
 それでも療養に気をつけての毎日である。一病息災の日々が続いている。最近新しい言語を学ぶ決意をした。ベトナム語である。82歳完成の目標で、毎日やろうと思う。
 ドイツ語とギリシャ語は一応の段階に達した。これもまだまだこれからである。英文が専門であったが,これは英文が楽しく読める今であるので、どんどん英文の書物や放送に接し続ける。
 聖書伝道が仕事なので週三回ないし4回の野外伝道に妻と共励む。掃除洗濯食事つくりの3分のニは私の持分である。その他の時間は執筆にあてる。
 皆さん、年がいっても忙しくしよう。楽しく忙しくするのが長生きのコツかもしれない。
希望は捨てない。努力もやめない。同時に節制も続ける。これを72歳の記念の文章とする。 




散文(批評随筆小説等) 七十二歳になりて Copyright 生田 稔 2007-05-07 09:45:21
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