廻航会
秋也

巡礼
巡り
礼する
信仰心
清い心
染められ
研く
尊い地へ
足を進め
静かに
踏み出す
また一歩
また一歩と
降りだした雪は止まず
純白から水滴へ
刹那的な許し
泣きたくて
泣きたくて
私は巡り
生まれ落つ
繁々と手を組み
跪き
黙すれば
あの日の母に会え
傍らで父が泣く
ああ、僕はここにいていいんだなと
ありがとう
命と脳と心臓
時が満ちれば
ただ
渡したい
彼らも巡るだろうから
水のごとく
雨のように礫となりて
堕ちて
シトシトと
もうすぐ着く
社と
幼い双子が待ち受けることだろう
終わり始まり
巡る
シトシト、シトシトと


未詩・独白 廻航会 Copyright 秋也 2007-05-07 03:38:14
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