わたし うたでした
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子どもたちのかおり水はかがやく
わたしの足をのみさらうもの
それはとても自由な戯れに見えたけれど
目をとじて 耳をすませば
ひとつの韻律をかんじるわ
わたしもむかしは うたでした

 もういいかい

 まあだだよ

 ・・・・・・

街のおとはいつだってにぎやかでなつかしい
人のおとが集まってできたもの
それがどうしてこんなにもさびしい
とびらのむこうですぎ去るおと
孤りでいてもいためる時の
聞こえてくるのは いつも夜だわ

 もう、いいですか

 いいえ

 もう いいのです

だれにおそわって聞こえはじめたのか
声にならない人のこえ
子どもたちは薔薇のおでこでかけぬけながら
わたしのなかにいくつかのしおりをはさんでゆくわ
それがわたしを堪えさせた空のおと
ええ、おさない頃はたしかに
わたし うたでした






自由詩 わたし うたでした Copyright soft_machine 2007-05-03 17:54:03
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