たとえば太陽が
草野大悟

とおくながれゆく
やすらぎの衣は
たしかに
あの日
おれたちが纏っていた日常

じゃれあいながら
風に泳ぐ魚たちは
たしかに
あの日の
おれたちの心

べた凪の
深い
もっと深い海で
太陽は人知れず
懸命に自転車を漕ぐ
漕ぐ

たとえば太陽が
笑顔を笑えなくなったとき
たとえば風が
風をふけなくなったとき

おれたちよ
いまある
おれたちよ

ここにあることに
ここにいることに
思いをはせよ

そして
高らかに
高らかに
黄金のティンパニーを打ち鳴らせ











自由詩 たとえば太陽が Copyright 草野大悟 2007-05-03 17:53:37
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