割と自堕落な二十代後半の俺の精一杯のふるまいの一端を垣間見た時間帯と街灯の下の侍/SAMURAII
ひろっち

帰り着いて、パソコンを開き、眺め、水を飲む。
明日に残らないよう、ぐいぐい飲む。
窓ぎわにぴたっと頬をあて、熱を吸い取られる感触に浸りながら、街灯をぼんやり眺める。

一人の侍が、
街灯の下で誰かを待っている。

もちろん腰に刀を下げており、
何があるわけというわけでもない正面をキッと睨みつける。


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シャワーを浴び、また部屋でビールを開け、テレビから流れる昔のメロディを懐かしんで、オリンピックを思い出したり、学生時代を思い出したり、振った女、振られた女を思い出したり、懐かしんだり、
水を飲む、明日に残らないよう、ぐいぐい飲む。ビールを飲みながら水も飲んで明日に残らないよう注意しながら、けれど、ビールはうまい。

街灯を眺める。
侍はいない。
行ってしまった。
どっかに行ってしまった。

温かな身体は睡眠を欲している、けれど眠らない埋まらない何かを埋めるために目をぎらぎらさせ、繰り返し、繰り返し、繰り返したり繰り返さなかったりの生活にピリオドをうとうと毎週思う。

泣く。
主人公になりきって布団に沈む。 寝る。


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今日も、夜が明ける。
ありふれた土曜の夜が明ける。


自由詩 割と自堕落な二十代後半の俺の精一杯のふるまいの一端を垣間見た時間帯と街灯の下の侍/SAMURAII Copyright ひろっち 2007-05-02 02:27:31
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