Robbie
maynard

どんな装いだったか
お前が愛し盲目にまでさせた安定性が
うなだれて堕落した時に
絶望視した目の死体を
担架に載せて運んでいる様を
コメディにしようと必死で繕っていたっけ

お前はそれでも
遊園地で風船を持っているクマの着ぐるみの様に
常に微笑んでいたが
中では疲労と暑さで汗だくになり
吐き気まで覚えさせる
風船を配るのですらおぼつかないんだ

その絶望視した目の死体は
お前の死体ではない自信はあるのか?
いったいどこまで信じているんだ?

お前は溝にはまり もがき苦しんで
後悔したって その溝は膨らんだりはしない
更に深く刻まれて 海溝の様にどこまでも深い

またあの溝を見た
またあの海溝に飛び込む人間を見た
恐怖の中に愛は存在しない
俺がお前に感じている物と同じで
お前の中に愛は存在しない

後ろ手にナイフを持ち
笑顔で迫って来る海溝の主は
クマの着ぐるみを着て
汗だくになり吐き気まで覚えて
安らぎを求めて更に深い溝を凝視している

そして気が付けば俺は後ろ手に縛られて
ウサギの着ぐるみを着させられ
溝の淵に立たされている
この事態をコメディにしようとでも言うのか

縛られた後ろ手にはナイフ
とてもこの縄は切れそうにも無い
何のためか考えたくも無い
与えられたものはこのナイフと
自ら飛び込むか 精神力尽きて落ちるか

この事態はそれでもコメディで
ウサギの着ぐるみは笑っていて
三頭身の俺は長い耳にデカイ目で
誰も中身までは気にしない

忌々しいクマ野朗が手招いている
あの着ぐるみの笑みは本物なのか?
俺には狂気にしか映らない

あのクマ野朗が囁いてくる
あの着ぐるみのキャラは本物なのか?
俺には虚言にしか聴こえない


自由詩 Robbie Copyright maynard 2007-05-01 10:09:36
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