ひとりきりの日曜日
竹節一二三

雨に打たれ散る花のことなどしらない
サボテンのとげが雲に向かって伸び
天上では太陽に向かって縮れた風が伸び上がる
カップに入れた珈琲はいつものように薄く
カレンダーは四月のまま終わらない

携帯電話の電源を切り
布団を敷いてあぐらをかく
テレビはしばらく電源を入れていない
しずかに頭痛が迫ってくる
桜は散って久しく
いまはゼラニウムしか目の前にない
緑の光が目に差し込んで
今の時間を忘れさせる

雨の間にひとつのネーブル
オレンジ色の味を噛み締めて車がゆく
小鳥は街路樹の中に沈み
魚は池に踊る
猫は外に出ない
私も外に出ない

冷蔵庫の中身
小さな魚と柔らかなみどりのレタス
ひとりきりで日曜を過ごす
コップに入れた珈琲は薄く湯気を吐き
雨に打たれて花は散る


自由詩 ひとりきりの日曜日 Copyright 竹節一二三 2004-05-02 14:19:09
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