夏の休み
たもつ

白い牛が見たいというので
柵のところまで案内しました
ちょうど啼いているところでした
確かに牛は白かったのですが
着ていたワイシャツの方が
白と呼ぶに相応しかったかもしれません
それから事務室に戻り
酪農の歴史についての本を
書庫から持ってきて渡しました
貸出帳、という
表紙の文字は前任者が書いたもので
性格と同じように丁寧でした
名前と連絡先を記入してもらうと
手にかいた汗で
頁がめくれました
自分も少し汗ばんでました
遠い夏のお休みのようでした


自由詩 夏の休み Copyright たもつ 2007-04-24 17:13:39
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