哀しいけれど
アマル・シャタカ

思い出の隙間からあの人は消えて
荒涼たる未来には誰も待ってはいない
吹きすさぶ風は淋しさを歌うけれど
何も聞こえないよりはいい
何のために誰のためにそんなことわからない
嫉妬で顔を洗い嘆きで口をすすぐ朝
そんな毎日に意味はない
焼け焦げた心を持て余しては砂に文字を書く
風に文字は運ばれて歌になる
どうせ誰も聞いちゃいまい
月明かりが頬を撫で月影からは無音の調べ
泣いちゃいけないいけないけれど
誰もいない世界で今日も
せめてもの慰みにと
あなたを思って海を作る


自由詩 哀しいけれど Copyright アマル・シャタカ 2007-04-16 01:16:32
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