停留所
たもつ

犬の耳の中へと
廊下は続いている
途中、川が流れている
小さな川なので
小川なのだと思う
手前に椅子が一脚
置きっぱなしになってる
本当は小川を見て座りたいのに
ネジのようなもので固定されて
来た方を振り返るようにしか座れない
椅子が濡れていたのは
昨晩降った雨のせいかもしれないけれど
眠っていたせいもあって
雨のことはあまり覚えていない
犬の耳の外にある停留所に
バスが停まり
鉄工所で働いている人が
数名降りてくる


自由詩 停留所 Copyright たもつ 2007-04-15 23:03:46
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