月面にて
馬野ミキ

くたくたに、くたびれて
引力に思う存分やられたかなぁ、って
拡大していたものが
点になって
引力の地のそこで
バタンキュー、 それは倒れた
月面で、
倒れた

菜の花の はたけで ねむっている。
俺は、菜の花が、

やさしく

つつむ。

あとはそこらで「もんしろちょう」が千匹か万匹か無限ゆれてて、いて
月は月で太陽とか関係なくやっぱりあの電気は己の可能性や自由によって蛍光灯のように光っていて
人類が何千年で積み重ねた学問などは、
関係なしに
すっごいきれいだと思う
寝ながらきれいやって、思った
光ってて



遠くで火山が爆発している-




自由な知り合いが眠っている俺のまわりにやってきて 俺の真似をしている
死にまね。
たちが悪くて無邪気な奴ら! 

東京メトロで、
俺はぶっ倒れた、
月面で。
見渡す限り菜の花、

眠りながらわかった
寝ながら
しった 月面で、やみの、  世界で   ひとり。




自由詩 月面にて Copyright 馬野ミキ 2004-04-28 02:09:37
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