異角
黒川排除 (oldsoup)

長袖の一縷の解れに砂集まる

葉が止まる空中の奥に世界地図

つちくれ赤らむ妄執待ちきれず耕す

漂白された信者らの手に小さなギヤ

記憶に触れてトキの死・海の名を統べる

曇り空を飛ぶ鉄片と木々疎遠

鳥居くぐってからずっと水の味がする

袖から裾に取っ手付けて傾けてもらう

滑らかな鳥 わたしの胃は海というプラン

透ける器官腕に宿し子を愛でる使者

象にまたがる女神の凍みるような笑み

兄の産声空調にかき消され寞

茶色に塗られた僧呆然と焦げてゆく

村娘昔話蒸し返しにくる

塔にあう蜂蜜くぼみに置いとくよ

オムレツ崩れてしまう太陽が昇ってしまう

連なって飛ぶ風船は数に入れず

シャッターに押したあとがあるもうあかない

バット振り上げて星空を見る

教会の近くに樽を流す海


川柳 異角 Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2007-04-05 00:16:54
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