悪魔ごっこ
壺内モモ子

私は小鳥。

ぴぴぴ
ちちち

天使のような歌声だと
よく言われるけれど
妖精のような小さな体だと
よく言われるけれど

私、本当は悪魔なのよ。
「かわいい」だなんて言われ飽きた。

私たちの自然を破壊していく
人類を滅亡させ
動物たちだけの地球にしようなんて
恐ろしいことを考えているんだから。

だけど
何をすればいいのかしら。
こんな小さな体じゃ何もできない。
こんな小さな頭じゃ何もわかんない。
そうね
糞を落としてやるくらい。

忘れていたわ。
自分に羽があることを。
人間は空を飛べないけれど
私は自由に空を飛べる。
自分だけの世界を持っている。

ぴぴぴ
ちちち
ほら、こんなにきれいに歌を歌えるの。

私は小鳥。
悪魔ごっこはもうやめた。
本当の悪魔は
もっともっと、恐ろしいことを考えているのよ。
私の小さな頭じゃ考えつかないような。
本当の悪魔に、会ったことはないけどね。


自由詩 悪魔ごっこ Copyright 壺内モモ子 2007-04-02 04:03:29
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