傷みの構造
狩心

考えても考えても 答えは出てこなかった
動いても動いても 違う方向に傾くだけで
いつの間にか僕ら 体を横にして 地面と水平に走ってる
左手には地面 右手には空 太陽が照らすのは 体半分だけで
脇腹を貫通するように刺し込まれたコンパスを軸に 回転する
足の先から飛び散る血が 円を描くように 同じ場所に何度も線を引く
もしかしてそれが あなたとわたしの境界線ですか
本当の平和なんて程遠い世界で
コンパスの針で人を突き刺す事を覚えた子供たちが反逆している
大人たちは三角定規や分度器まで持ち出して
コンパスの針が地面と垂直に突き刺さっているかを真っ先に測りとる
そして 等速度で回転している子供たちの姿を見てホッとする
円周率は割り切る事ができないのに 大人たちは丸い円を見て安心するのだ
子供たちは真実を見抜き 狂乱しているというのに


自由詩 傷みの構造 Copyright 狩心 2007-03-28 21:07:32
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