茶髪
1486 106

「あれ?黒髪に戻したんだ?」
「うん、就活が忙しいからね…」
オシャレに余念の無かったあいつも
忙しさのあまり我を忘れている

「あれ?ピアス塞いだんだ?」
「うん、そろそろ卒業だからね…」
子どものままで逆らっていても
いつかは放り出される日が来る

「あれ?髭剃ったんだ?」
「うん、会社の人に言われてね…」
個性というのは社会の中では
そこまで大切でもないみたいだ

そうやってみんな変わっていくのかな?
これが大人になるって事なのかな?

だけど友達の中には
下手糞なギターを掻き鳴らしながら
路上で夢見る奴もいる
あいつが売れるとは思わないけど
あいつが時々羨ましく思える


自由詩 茶髪 Copyright 1486 106 2007-03-27 15:06:13
notebook Home 戻る