E7(♯9)
大覚アキラ

ベランダのロッキングチェアで
揺れながら煙草をふかす夜更け

缶ビール5本と
ヘッドフォンから流れるジミヘンのギター
生温い春の風
群青の夜空にくっきりと一筋の飛行機雲

生きてりゃ必ずいつか死ぬのに
なんでわざわざ
自殺なんかしなきゃならないんだ

おれはみっともなく生き延びて
ドラッグの地獄から更生したロックスターみたいに
あと30年かけて立ち枯れてやろう

いつしか酔い潰れたおれは
弾の切れたマシンガンみたいになって
ロッキングチェアに揺られながら眠る

燃え上がるギターの夢を見ながら


自由詩 E7(♯9) Copyright 大覚アキラ 2007-03-23 16:56:16
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