詩人が収入を得る方法(Remix Ver.)
木棚環樹

詩は売れない。と言う人がいる。詩で収入を得ることは簡単だ。はっきり言って詩は絶滅危惧種だ。競争相手がいない。なのに誰も市場に参入しない。詩は絶滅しない生命力を持ち合わせている。
なぜ詩は絶滅しないのか?どのように詩人は生計を立てているのか?いくつかのパターンを考察してみる。私は近代詩、明治大正期よりも現代に生きているので、そちらの話で考えてみる。当然時代が変われば状況が変わる。中世や古代についてご意見があればぜひ伺いたいと思ってこの原稿を書いている。

その1 「詩を教える」
「詩人」というのは職業かどうかあやしい言葉である。「博士号」は称号であって、「博士号」を持っていればみな大学に就職できるかといえばそうではない。「教授」は職業である。なんらかのチャンスがあれば、何ら資格がなくとも誰でも「教授」になることができる。現代は「博士号」を持った未就労者が世に溢れている時代である。(それがなぜかは関係ないのでここまででやめる)話を元に戻すと、「詩人」と名乗ったからと言って、それだけで収入が入ってくるわけではないのである。当然金はない。どうするか。どうしようもないから、一応「詩人」も何らかの形で教授になる。教授になって、収入を得て、その余った時間、自分の時間を利用して詩を書く。
野村喜和夫さんのプロフィールを見るとhttp://www.jjc.ac.jp/gakka/bun.html「2005年には、8月から11月まで、アイオワ大学国際創作プログラムに招かれて渡米」とある。大体、どの大学にも文学部はあり、国文学だの外国文学だので詩を教えていたりする。中には創作科があって、創作を教えることもある。日本ジャーナリスト専門学校http://www.jjc.ac.jp/gakka/bun.htmlの公式HPのトップには「現役作家、評論家、詩人が、一人一人の個性を伸ばす!」と書いてある。現役の詩人であることが学校側の売りになるのだ。

話が飛躍するが、詩人が「詩人」としてお金儲けができるようになるのは、平成から現代までである。それはなぜかというとネットのせいである。ネットで、詩が読まれるようになるからである。携帯メールが始まると、企業のお偉いさんが来て、メール普及のネット詩を書くよう詩人に頼む。携帯普及協力の詩を書くのは嫌だ!という詩人は実はあまりいない。今から見るとそうしたことで詩人に「キズ」がつくのだが、当時の人は(時期によるが)携帯やネットを悪いことだとは思っていない。企業のために詩を書く。するとお金が入る。詩人の携帯関係者率も驚くほど高い。ただし、こうした詩集は携帯普及後追求されるから、現在まで名前が残っている人は少ない。
「テノヒラタンカ」
公式HP http://www.tenohiratanka.com/index.html
書籍 http://www.amazon.co.jp/dp/4872337026/
「土曜の夜はケータイ短歌」
公式HP http://www.nhk.or.jp/tanka/
書籍 http://www.amazon.co.jp/dp/4812427975
「ケイタイ・プチポエム」
http://www.amazon.co.jp/dp/4086004992/
などがその例であろう。

その2 「投稿をする」
「詩人」であり、なおかつ詩作をしないとすれば、当然お金は一銭も入ってこない。どうするかと言えば、投稿するしかない。現代の超有名詩人である秋元康・叫ぶ詩人の会の金髪先生はハガキ職人出身の放送作家&作詞家&詩人である。私も中学時代に朝日新聞の投稿欄に川柳を投稿して三千円もらった記憶がある。
テレビでは「恋のから騒ぎ」にちょっとした面白エピソードを書いて採用されれば三万円。「本当にあった笑える話」http://www.honwara.com/pc/などは賞金総額百万円。一〜二行での原稿料としては破格である。

その3 「詩の朗読イベントに出る」
「詩人」として、「詩」に関わりつつ、収入を得る最も最適な道がこれである。もちろん詩を朗読したからといって必ずしも儲かるわけではない。しかし、現在の「詩のイベント」というのは、ある意味特殊な売り方をすることが多い。
ヨコハマ・スポークン・ワード・スラム通称YSWS http://www.bbstreet.com/ysws/はチャンピオントーナメントで優勝すれば三万円。Ben‘sCafeの毎月第四日曜日はhttp://www.benscafe.com/ja/3rd&4thPoetry.htm朗読を聞いたお客さんから好きな金額を入れてもらい一番多くのお金をもらった出演者が勝ちである。もちろん、お客さんからのお金はすべて朗読者の手に入る。稀月真皓きずきみひろhttp://www.mihiro.net/、青木研治http://www.h2.dion.ne.jp/~aoken/は、こうやって生き延びてきた二大詩人である。

その3 「詩の朗読イベントを開く」
これは現代詩フォーラム上にchoriさんが「詩のイベントのつくりかた(実践編〜1〜)」http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=108535散々書いているので、それ以上は言及しない。

その4 「自らの詩集を出す」
これは現代でも何かのたびに起こることで、そしてこれだけが唯一「書籍で儲ける」道である。はっきりした統計はないが、木棚環樹の『存在論的、郵便的(マンガ版)』http://www.pat.hi-ho.ne.jp/kidana/post.htmはアマゾンオンリーの委託販売http://journal.mycom.co.jp/news/2006/06/12/009.htmlの割りに相当売れたらしい。木棚環樹を貶めるつもりはないが、『存在論的、郵便的(マンガ版)』に関しては、こんなエピソードが散見される。要するに、「女を落とすには『存在論的、郵便的(マンガ版)』を買え」というものである。『存在論的、郵便的(マンガ版)』を買って、持っている、あるいはその中の詩句を口にすると、もてるのである。かっこいいと女に思われるのである。だからみんなこぞって『存在論的、郵便的(マンガ版)』を買う。これは現代でもそうだと思うが、何でこんな人の書籍がばか売れするの??とお怒りになった経験は多いだろう。内容は、個別のことなのでわからないが、内容と、「売れる」ということは無関係でありうる。もちろん内容も良くて売れるとそれは一番の道なのだけれども。

その5 「知人の詩集を出す」
出版に堪能な人は、友人の本を出版プロデュースすることで生計を立てる。これも非常に多い。先ほどあげた木棚環樹もそうである。インターネット時代の現代では想像するのが難しいが、詩集を出したい青年で、自費出版ができない人にとっては、友人の版元から出版は非常にありがたいものなのである。書籍コードを取ると十個・百個単位になるので、一冊しか出版予定がないと9個コードが余る。だから一人でやるよりは余ったコードを使わせてもらった方が全然楽だ。さらにその版元の知名度もあがる。一石二鳥である。

その6 「ロック・ラップなどを制作する」
自分のおすすめのロックが、結構有名な詩人によって作詞されているということはないだろうか?鉄腕アトムのオープニング曲は谷川俊太郎作詞だし、ハードコアヒップホッパーのUZIhttp://www.bounce.com/interview/article.php/548/がカバーした「打つべし〜明日のために」http://music.goo.ne.jp/cd/655543-1/index.htmlは寺山修司作詞だ。銀色夏生は小泉今日子に作詞していたり、326は安倍麻美や19やdreamに作詞をしている。
ロックやラップの制作を結構詩人に頼むのである。現在では「作詩」「作詞」の区別は曖昧である。
あと、売れるのは「自作朗読」である。「自作朗読」は格好の商売道具である。運がよければシンガーソングライターに採択されてしまったりすることもあるかもしれない。現代詩フォーラムでは
choriさんhttp://po-m.com/forum/myframe.php?hid=552の
「維新」http://vtl.sub.jp/shop/auaevav.htmlと
野村喜和夫さんの「発語する器官」http://po-m.com/forum/cd.htmと
馬野幹さんhttp://po-m.com/forum/myframe.php?hid=703のCD  http://members3.jcom.home.ne.jp/miki-yamato/kotori.htm
辺りは有名だろう。これも時期によってかなり違うのだが、「自作朗読」が儲かる時期がある。

つらつらと書いてきたが、出典不明記、ぼんやりしたうろ覚えで書いているので、絶対信用しないこと。


散文(批評随筆小説等) 詩人が収入を得る方法(Remix Ver.) Copyright 木棚環樹 2007-03-23 01:23:25
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