こむら返り
たもつ

足がつった
魚を釣った
痛さにのたうつ小指が
餌に見えたのか
少なくとも自分の足の小指くらいは
何をも傷つけないと思っていたのに
魚は同じようにのたうってる
口をこじ開け
引っ掛かっているところをはずす
傷を負って
これから先長くはないだろう
せめて空気の一番遠くまで行けるように
窓から放す
痛まない
もうこむら返りも足の小指も


自由詩 こむら返り Copyright たもつ 2007-03-22 18:23:06
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