爪切り
蒼木りん
爪を切って
わたしを捨てていく
気まぐれで
ときどき拾うものは
落っこちてる人のこころ
だいたいは
見て見ぬふり
蹴っ飛ばしたりもする
投げるのは
じゃまなもの
わたしの屍骸を
ごみ篭にバラバラ捨てる
昨日までのわたしは
なかったことにして
指先が軽くなる
未詩・独白
爪切り
Copyright
蒼木りん
2007-03-22 00:15:38